けんごのお屋敷

2017-12-30

2017 年の振り返り

2017 年は自分にとってキャリアが大きく動いた年だった。

1 年を振り返る良い機会だし、ちょっと頭の中で考えていることをきちんと言葉にしてみようと思う。それってとても難しいことだから普段ほとんどすることはないけど、思考を言語化することは自分を見つめ直す良い機会になるはず。

エンジニアとしての生き方

プログラミングに初めて触れたのは遡ればもう高校入学時の夏。プログラミングってなんでこんなに楽しくて、こんなにも興味をそそるもので、僕を感動させてくれるんだろう、とすぐにプログラミングの虜になり、将来は絶対エンジニアになると誓っていた。それから約 15 年間、よくもまあ飽きもせず仕事でも趣味でもプログラミングを続けているものだと自分でも関心するけど、エンジニアってそういう生き物なのだ(ですよね?)。”楽しい” が僕にとっての行動原理だったりする。”生きるため” という考えの元では少しも長く続いていなかったろう。プログラミングが僕自身を輝かせ、道を作ってくれた。

そういう意味では、好きなことを仕事にすれば幸せになれるというのは誰もが考えるところだとは思うけど、そもそも好きなことを仕事にするのはかなり難しい。100% 好きなことだけをして働いて生きていくのは到底無理だし、好きなだけではどうにもならない。覚悟が必要だ。自分の働きによって、どれだけ世の中に貢献できるのか、いや世の中なんて大層なものではなくてもいいけれど、どれだけ周囲に貢献できるのか、その価値と常に向き合っていく必要がある。しかし、自分の価値の話をし始めると、どうしても自分以外にも目がいってしまう。特に僕達の業界では、その年齢でどこでいつのまにそれ程の知識を得たのか、時間の進み方が僕らとはちょっと違うのでは?と疑問を抱くほどの凄腕スターエンジニアがうようよいる。そんな人達には到底かなわないので、じゃあ自分なんて…と落ちてしまうこともある。

この辺のコントロールは本当に難しい。変化が速く激しいこの業界の中で自分の価値を見出し続けることは大変だし、人間なので落ちる時は落ちる。それを乗り越えられた時に、”楽しい” と “生きる” が繋がっていくのだと思う。要するに覚悟ってそういうことだ。自分を信じること。難しい問題も乗り越えられるように、いつでも自分を信じ続けること。

少し僕の話をすると、過去に プログラマのための数学勉強会@福岡 を主催していた。僕は数学科卒業でも数学に関して秀でているわけでもないので プログラマと数学 という記事で「数学ができないなりの楽しさ」と題して悩みを書き殴っていたけど、当時は数学とプログラミングの “楽しい” を原動力に行動していた。加えて今年は幸運にも書籍の執筆もさせてもらって、その時の心境も 「やさしく学ぶ 機械学習を理解するための数学のきほん」を執筆しました という記事にまとめおり、そこからもやはり悩みつつも、信じて行動し続けていたことがうかがえる。

これらは会社外での外向けの活動の話だけど、会社内での仕事の話だってそう変わらない。楽しいを原動力に、自分を信じてキャリアを積み上げていく。それが血となり肉となり、自分自身の価値となっていく。そうやって作っていった経験は誰にも真似出来ない自分だけの価値になっていく。

冒頭にも書いたけど、2017 年は自分にとって大きくキャリアが動いた節目の年だった。元来は Web や Android アプリケーションのエンジニアだった自分が、難しそうだったけど昔から好きだった機械学習やデータ分析を専門とした組織の立ち上げメンバーとして今年の頭から稼働してきた。それは、自分がそういった領域のエンジニアとしての価値を組織に対して提供できることを示してこれたからだと信じている。そして 2018 年からは、いわゆるマネージャーとしてのロールで組織にコミットしてく必要があり、いままでのように技術が好きなだけでは通用しない、組織の成長を俯瞰して見ていかなければならない。

だけど、自分のエンジニアとしての人生がそこで終わるわけではない。組織の中で与えられた役割は全うするべきだし、その役割の中で楽しいことはきっと見つけられる。それは好きなことを仕事にするってこととはちょっと違うかもしれないけど、これまで書いてきたエンジニアとして生きるための行動原理があったからこそいまの環境があると考えると、大きく外れた道ではなかったんだろうなと思うし、やっぱり好きだしそれを終わらせたくはない。個人的にプレイングマネージャーはあまり良くないと思うので、コードでコミットする時間は徐々に減っていくだろうけれど、プライベート含めゼロにはしたくないし、知識やスキルアップに関しては貪欲に求めていくように努力したい。

生き方や働き方、考え方なんて十人十色だし、これが正解という話はない。ただ、自分の中で信じることができる正解を持つことが、大事なんじゃないかな、って思う。

◎◎◎

振り返り

まとまりのない感じになったんで、2017 年の印象的な出来事を軽く振り返ってみます。

データ分析組織

いまの勤め先で新しくデータ分析専門の組織が立ち上がり、初期メンバーとして稼働しました。立ち上げ自体は昨年ですが、実稼働し始めたのはだいたい今年頭からです。

[エンジニア対談]LINE Fukuokaのデータ分析・機械学習エンジニアとして取り組んでいきたいこととは?

もちろん私自身が立ち上げたわけではありませんが、以前から福岡にもそういう組織があるといいのでは、と声を上げていたのは事実でした。データ分析専門とはいいつつも、いわゆるデータサイエンティストと呼ばれる分析屋だけではなく、データ分析のためのインフラを管理したり機械学習によるテキスト分類など割りとエンジニアリング寄りなタスクもこなす集団になっていると思います。

英語環境

2017 年は特に英語を使う機会がとにかく多い一年でした。いまの会社はとにかくグローバル感が半端ないです。

【社員インタビュー】技術好奇心×カルチャー 開発室 室長が語るLINE Fukuokaの開発組織

この記事で室長が言っているようにいまの開発室は半数以上が外国籍社員です。これはデータ分析のチームも例外ではなく、そうなると必然的に英語によるコミュニケーションも増えてきます。もともと英語は嫌いな教科ではなかったけど、Reading / Writing だけじゃなくてまさか Listening / Speaking まで出来るようになるとは思ってもいない成長でした。(とはいえまだまだ Broken な英語ではあるので、もっと慣れが必要)

書籍執筆

幸運なことにマイナビ出版から書籍を出版させていただきました。

やさしく学ぶ 機械学習を理解するための数学のきほん

書籍の内容や出版の経緯などは この記事 にまとめている。おかげさまで何度か重版され、身近なエンジニア数人も買ってくれていて嬉しい限り。

PHPカンファレンス福岡2017

いまではもう PHP 書かないけど…。Fukuoka.php コミュニティと、この PHP カンファレンス福岡は昔からファンだったので、その大舞台で登壇できたというのは非常に良い思い出になりました。名の知れた有名なエンジニアの方もたくさんいらっしゃっていて、当時から憧れていた人も多かったので、そのような方々と同じ場でしゃべることができたというのは本当に嬉しかったです。

子どもたちの成長

上の子が小学校、下の子が幼稚園にそれぞれ通い始めました。毎日ケンカしてストレス溜まるけど、毎日何かしら笑顔をくれるので、ん〜、まあ相殺?

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